「……キラ、部屋のシャワー使ってるんでしょ?」
「ああ……」
「そろそろ出る頃じゃない? ソラも早く戻ってあげないと」
……苦しい。
息が出来ない。
このままいると、また涙が出そうで。
張り詰めている緊張の糸がプツンって音を立てて切れてしまいそうで。
ソラに伝えたいことは沢山あったはずだ。
だけど──。
あたしは、苦しかった。
ただ、その場から逃げ出したかった。
「あたし、もう行くね。おやすみ……」
震える声。
震える足。
ソラに気付かれていませんように……って祈りながら、あたしはリビングを足早に出て行こうとした。
──その時。
「戻るのか?」
それは小声なのに、まるであたしの背中を突き刺すような、鋭い言葉だった。
「……先輩がいる部屋に、戻るのか?」
「ああ……」
「そろそろ出る頃じゃない? ソラも早く戻ってあげないと」
……苦しい。
息が出来ない。
このままいると、また涙が出そうで。
張り詰めている緊張の糸がプツンって音を立てて切れてしまいそうで。
ソラに伝えたいことは沢山あったはずだ。
だけど──。
あたしは、苦しかった。
ただ、その場から逃げ出したかった。
「あたし、もう行くね。おやすみ……」
震える声。
震える足。
ソラに気付かれていませんように……って祈りながら、あたしはリビングを足早に出て行こうとした。
──その時。
「戻るのか?」
それは小声なのに、まるであたしの背中を突き刺すような、鋭い言葉だった。
「……先輩がいる部屋に、戻るのか?」


