「風呂上がりって、なんかいいよな。そそられる」
「そういうこと言わないで。すっぴんもパジャマも、見られたくないんだから」
「なんだそれ。美夕のことならガキの頃から知ってるのに」
そんな、ぎこちない会話が続く。
ソラはカウンターに手を伸ばしてグラスを取ると、水で簡単にすすぎ、目線の高さにある吊り下げ式のグラスラックにしまった。
「それでも、見られたくないの。……いつまでも子供のままじゃないんだから」
すっぴんを見られるのは恥ずかしい。
だけど今は、それ以上に、泣きすぎてすっかり腫れ上がった目を見られたくなかった。
本当はこの目を氷で冷やしたかったのに、今、ソラの前を通って冷凍庫を開けるわけにはいかない。
──どうしよう。
しばらく、あたしたちの間には沈黙が続いた。
「そういうこと言わないで。すっぴんもパジャマも、見られたくないんだから」
「なんだそれ。美夕のことならガキの頃から知ってるのに」
そんな、ぎこちない会話が続く。
ソラはカウンターに手を伸ばしてグラスを取ると、水で簡単にすすぎ、目線の高さにある吊り下げ式のグラスラックにしまった。
「それでも、見られたくないの。……いつまでも子供のままじゃないんだから」
すっぴんを見られるのは恥ずかしい。
だけど今は、それ以上に、泣きすぎてすっかり腫れ上がった目を見られたくなかった。
本当はこの目を氷で冷やしたかったのに、今、ソラの前を通って冷凍庫を開けるわけにはいかない。
──どうしよう。
しばらく、あたしたちの間には沈黙が続いた。


