──先輩が、ソラに電話をかけようとしている。



「待って、先輩!」


あたしはそう叫ぶと、先輩の掌の携帯に向かって両手を伸ばして、その画面を自分の指で覆った。

そして、震える声を振り絞って、言った。



「2人は……2階にいます」




その言葉に、キラかソラの電話番号を探していた先輩の指が、携帯のボタンから離れた。

そして、少し低い声で言った。



「……どういうこと?」