ウソ★スキ

「……キラは、今もソラが好きなんだよ?」

力ないあたしの言葉に、ソラは小さく頷いた。


「だからって、俺たちは顔を合わさないって訳にはいかないんだ。俺にとってキラが大事な家族だってことに変わりはないし」


ソラが、苦しそうな顔で笑う。


「面倒くさいよな、こんなヤツに好きだなんて言われても」





ゴメンな──

ソラはそういうと、その手を震わせながら、そっとあたしの頬に触れた。

その手は、ひんやり冷たくなっていた。



「だから、本当はこんな旅行にも来たくなかったんだけど。……でも、この目で先輩と美夕がうまくいくのを見届けられれば、諦めがつくかと思って」


ソラの親指があたしの頬をなぞって、流れる涙をぬぐってくれる。


「だけど、俺、ガキだから。2人で並んでいるのを見ただけで、イライラして、むかついて……ゴメンな」



そしてまた、ソラの手があたしから離れていく。




「でも、もうあんな態度とらないから、安心して?」




そう言うソラは、今にも泣きそうな顔をしていた。