あたしが体をビクッと引きつらせて飛び上がったのと、

出入り口の扉が開いて先輩が戻ってきたのと、

キラが
「うーん」
って大きく背伸びをするのとは、



ほとんど同じタイミングだった。




「あー、よく寝た!」

キラは、ソラとあたしを見て、

「2人は寝なかったの? ……っていうか美夕、なに立ってるの?」

って笑った。


キラ……今の話、聞いてなかったの?


だけどそんなこと、聞けるわけがなかった。






「おっ、2人とも起きたんだなー」

すぐに両手にペットボトルを4本抱えた先輩が席に戻ってくる。


キラはそんな先輩から無邪気にお茶のペットボトルを受け取ると、

「うわ、冷たくて気持ちがいい!」

ってそれを自分のおでこにあてた。


そして、あたしの方を見ながら、

「あー、これでやっと目が覚めたよ」

って、もう一度気持ちよさそうに背伸びをした。