「え……?」


はじめは、ソラの言っている言葉の意味が分からなかった。





「俺の声が聞こえたの?」

「……ううん。でもソラの携帯からだった」


「どんな話をした?」

「相手は何も……。ただあたし、絶対ソラだと思ったから、いろいろ言っちゃったよ? ……こんなの迷惑だとか、この前バスで無視した仕返しなの? とか」



あたしのその言葉をじっと聞いていたソラは、

目をつぶって上を向くと、ふぅーって大きなため息をついた。




「ねえ、ソラ。これって……どういうこと?」

「だから、その電話の相手は俺じゃなくて……」


あたしたちは目を見合わせた。


そして──


「もしかして……電話の相手って……」



あたしは体を強ばらせたまま、視線だけをソラの隣のキラへと移した。


もしかして……





キラは

いつの間にか目を覚ましていた。