ソラの眉間に、軽くしわが寄る。
「いつ頃のこと?」
「……夜の12時過ぎ」
「間違いなく俺からだった?」
「……うん……」
この時、もしもソラが笑って
『ごめん、あれはボタン押し間違えただけなんだ!』
って言ってくれていたら。
あたしはそれが嘘だと分かっていても、無理矢理自分を納得させることができたと思う。
あのとき、確かに電話口からソラの息づかいが聞こえてきたけれど、
それだって聞こえなかったことにして、
『そうだったんだ、これからは気をつけてね』
って、笑えたと思う。
そして、そんな電話があったことも忘れて、この旅行を楽しめたのに……。
だけど、ソラはきょとんとした顔をして、あたしにこう言ったんだ。
「俺、その時間は風呂に入ってたし、昨日は誰にも電話なんてしてないけど?」
「いつ頃のこと?」
「……夜の12時過ぎ」
「間違いなく俺からだった?」
「……うん……」
この時、もしもソラが笑って
『ごめん、あれはボタン押し間違えただけなんだ!』
って言ってくれていたら。
あたしはそれが嘘だと分かっていても、無理矢理自分を納得させることができたと思う。
あのとき、確かに電話口からソラの息づかいが聞こえてきたけれど、
それだって聞こえなかったことにして、
『そうだったんだ、これからは気をつけてね』
って、笑えたと思う。
そして、そんな電話があったことも忘れて、この旅行を楽しめたのに……。
だけど、ソラはきょとんとした顔をして、あたしにこう言ったんだ。
「俺、その時間は風呂に入ってたし、昨日は誰にも電話なんてしてないけど?」


