ウソ★スキ

あたしの質問に、先輩は少し驚いた顔をした。


だけどその後すぐ、いつもの優しい表情に戻って、

「おいで」

って、あたしの手を取ると、原チャリに座ったままの自分の元へ引き寄せた。


あたしはあっという間に、先輩の腕の中。



「“あたしなんか”じゃなくて、俺は、美夕ちゃんじゃないとイヤなんだよ」



あたしの頭を撫でながら、先輩はあたしの耳元で甘く囁いた。


……ふわふわ、ふわふわ。

あまりの気持ちよさに、あたしは自分の体重を先輩に預けて目を閉じた。



「そんな不安そうなこと言わないで、もっと自信持っていいよ。美夕ちゃんは、俺の初恋の人でもあるんだからね」


「え?」