バスの時間が近づいて、キラが教室を出て行くと、

なんだかどっと疲れが出た。


『下着とか、一緒に買いに行く?』
『美夕、初めてでしょ? 分からないことあったら何でも教えてあげるよー』

そんなことを楽しそうに話すキラは、

本当に、旅行を楽しみにしているみたいだった。


あたしは、頭を抱えてため息をついた。

あたしにとっても、先輩との初めての、楽しいはずの旅行なのに。

なんだかもう、楽しみって言うより、考えないといけないことが多すぎて気が重い。



そのとき、先輩からのメールが届いた。


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美夕ちゃん、ごめん!

原チャリが壊れたみたいで、

当分学校から動けそうにないよ。

悪いけど今日は、先に帰って?

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……なんだか、ほっとするあたし。


今ならまだ、キラがバス停でバスを待っているはずだ。


だけど。

あたしはもう一度机に突っ伏した。

……1本遅らせて、1人で帰ろう。



なんかあたし、疲れてるな……。