あたしは、先輩の手にそっと自分の手を重ねた。

「先輩、ありがとう」



あたし、

先輩に喜んでもらえるような、いい彼女になりたい。


それは決してソラへの気持ちから逃げ出したいからじゃなくて。


あたし、絶対、先輩のことをソラ以上に好きになれる。


あたしのことを愛しそうに見つめてくれている先輩を目の前にして、

心の底から、そう思えたんだ……。




「先輩、キラたちと一緒に、旅行に行きませんか?」



あたしは、いつものように先輩からメットを受け取りながら、

そう言って先輩に一泊旅行の話を始めた。