朝のバス停に先に着くのは、いつもあたし。


だって乗り遅れたら、次のバスは30分後。

それじゃ遅刻しちゃうから、つい早めに家を出てしまう。


だけど。

あたしの親友希羅《キラ》と、双子の弟空羅《ソラ》がやってくるのは

いつもバスの時間ギリギリなんだ。

しかも、のんびり、仲良く並んで歩いてくる。


今日だってそうだ。

バスの時間に1分遅れてやってきた2人は、

揃って大きなあくびをしていた。


「あー、寝不足」

ソラは、キラを見てニヤッと笑う。

「キラが寝かせてくれないから」



「そんなヤラしい言い方やめてよ」

そう言うわりに嬉しそうなキラは、ソラの腕をかるく叩く。



朝っぱらから目の前でイチャイチャと……

私の立場、ないんですけどー。