ウソ★スキ

「玄関、鍵もかけてなかったっていうのにねー。誰か来たらどうするつもりだったんだろう。……あんな激しいソラ、久しぶりだったよ」


キラのクスクス笑う声が、ずいぶん遠くで聞こえてくる。


「でもいいんだー。いっぱい『愛してる』って言ってもらったし!」



あー。

なんだか気分悪い。

吐き気がする。

目の前の廊下が、グニャリと曲がって見える。



……これって、昨日寝不足だったせいかな?

ううん、絶対それだけじゃないよ。


(ソラのバカ……)


あたしは心の中で、何度も何度もそう呟いた。



「ソラ、終点から濡れてる道を歩いて帰ってきたから、すっごく汚れててね。終わった後『一緒にお風呂入ろう』なんて言うんだよ-」

「もうやめて!!」



気がつくと、あたしは大きな声で、そう叫んでいた。