「それで……聞いてくれた?」

キラはあたしと目を合わさずに、足下にあったマンガを手にとって

それをパラパラめくりながら聞く。


あたしには分かる。

こういう時のキラは、すっごく緊張してるんだ。


「うん……。探りは入れてみたんだけど……ゴメンね。詳しいことは聞けなかったんだ」

「そう……」


さっきのことを思い出して、また気分が悪くなる。

だけど、あたしはキラに優しく微笑んだ。


「でもね、きっと大丈夫な気がするんだ。ソラはやっぱりキラが大好きみたいだから。今日、思い切ってキラから誘ってみれば?」

「そ、そうかな?」



キラのホッとした表情。

よかった……。
あたし、うまくごまかせたんだ。




そうだよ、キラ。

もう大丈夫。


ソラを惑わせていた原因のあたしは、

もう、ソラに嫌われちゃったから。




だから、もう、大丈夫だよ…………