キラが部屋に入ってきただけで、部屋の空気が軽く明るくなる。



キラはドアを閉めると、

「もう、真っ暗じゃない。電気つけたら?」

って、入り口近くの壁にある明かりのスイッチを入れた。


電気がついた室内は、目を開けていられないくらい眩しくて、

あたしは目を細めた。



「あれ……美夕、泣いてたの?」

キラがあたしの顔をのぞき込む。


涙はとっくに止まっていたけれど、

たぶんあたしの目は赤く腫れていたんだ……。


「う、うん……。マンガ読んでたら泣けちゃって……」


あたしは目をこするフリをして、顔を隠した。