「徹先輩、美夕のこと、よろしく」

真面目くさった言い方で、更に一言。

「大事にしてやってね」


そう言って、ソラは軽く頭を下げた。



「もちろん」

先輩は、繋いでいた手を離すと、それをあたしの肩に回した。

そしてあたしをぐいっと抱き寄せて、言った。

「ソラに言われなくても、そうするつもりだよ」


キラがまた、嬉しそうな悲鳴をあげる。


あたしは何も言えずに、ただじっとしていた・・・。



さっきのキスだってそうだけど、

先輩は、優しいけど、少し強引で、

でもあたしのことを大事に扱ってくれて、





ソラの前で肩を抱かれるなんて嫌なはずなのに、



……どうしてだろう?



あたしは先輩の隣にいられることが、

すごく、すっごく、心地よかったんだ…………。