閉園時間をすぎて動物園をでると、

キラとソラがベンチに座って退屈そうにあたしたちを待っていた。


「もうっ、遅いですよー」

キラが手を振ってあたしたちを呼ぶ。

その後ろで、ソラがあたしたちを見ていたけれど、

その表情に笑顔はなかった。


ソラと目が合った瞬間、

あたしは思わず、

繋いだままになっていた先輩の手を離そうとした。



だけど。

先輩はあたしの手が離れようとするのに気づいたのか、

その手にぎゅっと力を込めて、あたしの手が離れるのを拒んだ。



「あーっ!手、繋いでるー」

キラがあたし達の手に気がついて、嬉しそうにそう言う。

「いいだろ、別に」

先輩も嬉しそうにそれに答えた。