それはあたしの ファーストキスだった。 先輩は、いきなりのことに驚き硬まっているあたしをそっと抱き寄せた。 あたしは先輩の胸に顔をうずめた。 「告白してくれてありがとう。俺、すごく嬉しかったんだ……」 先輩の声はちょっとだけ震えていた。 「もう泣かさない。絶対、美夕ちゃんのこと、大事にするから……だから、俺の彼女になってくれるよね?」 あたしは目を閉じて、 小さな声で「はい」と答えた。