ウソ★スキ

「……俺がイヤ?」

「そんなこと!」


慌てて大きな声を出したあたしのことを、先輩が驚いて見ていた。


「……そんなこと、あるわけがないです」


あたしは、先輩に見つめられるのが恥ずかしくて、

先輩からもらったペットボトルのお茶を握りしめたまま、俯いた。



「だったら」



先輩が、下を向いたままのあたしの髪を優しく撫でた。




「緊張して、嬉しくて、それで泣いてくれたって思ってもいいの?」

「……え?」

「うん、そう思うことに決めた。……迷惑じゃなかったら」


顔を上げて先輩を見ると、



先輩はすこしだけ赤い顔をしていた。



そして、続けてこう言ってくれた。



「俺も、美夕ちゃんがスキだよ」