「そんなこと、ソラには関係ないっっ!!」



あたしは思わず立ち上がっていた。


だけど、振り返ってソラの顔を見ることはできなくて。



レジで支払いをしている先輩の姿を見ながら、あたしは続けた。



「あの日あったことは全部忘れて!あたしも忘れるから!」

「美夕……」

「あんな傷、すぐに消えるし、ただの冗談でやってみただけだし」

「……」

「それを真に受けられちゃったら、あたしも困るんだよね!」



売店から先輩が出てくる。


そして、トイレからは、キラも……


助かった……。


あたしは、ソラに聞こえるように、大きなため息をついた。





2人が合流して、あたしたちの方へ歩いてくる。

あたしは頬を引きつらせながら、笑顔で2人に手を振った。


そのとき。



「俺は忘れないから」



ソラが、ぽつりと呟いた。



「絶対、忘れない」