あたしにだって好きな人くらいいる。 それは隣の家に住む3歳上の橘 隼人【タチバナ ハヤト】さん。 大人っぽくて、すごくかっこいい。 でも、こんな男っぽいあたしに好きな人がいるなんて言ったら絶対に笑われるから、誰にも言ってない。 というか、言えない… 「んん?」 「え?」 南が顔を除き込んでくる。 「今、恋する乙女の顔したぁ!!好きな人がいるなぁ!!」 「う…」 そんな顔したのかぁ…? あんまり意識してなかったけど… 南は一瞬も見逃さないんだなぁ… 油断出来ない……