大和が振り向く。 何度見ただろうか… その冷たい表情。 何度見ても慣れないもので、一瞬怯む。 「なっ!またあなた!?」 一緒にいた、大和の婚約者の名も知らぬ少女が大和をかばうように、前にでてくる。 あからさまに嫌そうな顔をして。 「ちょっと、しつこすぎるんじゃないの!?諦めなさいよ!もう大和様があなたのもとに戻ることなんて……っ…」 少女が言葉を詰まらせた。 理由はおそらく…… あたしが少女の横を通り抜け、大和の目の前で跪いているからだろう。