「え……?」 振り返って見えた少女の顔は、なにを言ってるんだこいつは、とでも言うように歪んでいた。 「いきなり現れて『婚約者だから、私が大和様の彼女です』だなんて、納得できるわけないじゃん!」 「はぁ!?私と大和様の婚約はずっと前から決まってたんですよ!?」 「だいたい、その喋り方はなんなんだよ!」 「あなたの男みたいな喋り方よりはいいと思いますけど!」 本気で喋っていたつもりだったのに、 いつしか、校長室の前で少女と他愛もない言い争いになっていた。 「なんだ…?騒がしいな」