少女はあたしの横を通りぬけ、大和の隣に並んだ。 「大和様の真の彼女は、私です」 自信に満ちた声。 あたしは俯いたまま、後ろを向くことが出来なかった。 「だから、もうあなたは大和様の彼女じゃないんですよ」 少女の一言一言が重くのし掛かる。 「……もう、大和様に近付かないでいただけます?」 ――冗談じゃない… --ゴスッ あたしは廊下の壁を拳で殴った。