「咲夜…」 頭の上に海兄ちゃんの手が乗る。 「諦めないで」 その声は、充分すぎるほど優しく響く。 「咲夜は、とどかなくても、途中で諦める子じゃないでしょ?」 ただ…… 「だから、諦めないで」 あたしを真っ直ぐ見つめて。 「もっと、追いかけて……」 海兄ちゃんの一言一言が、あたしの中にあった不安を溶かしていくようで。 「いつかとどくから」