男前な彼女

隼人さんはあたしの目の前に立って、じっとあたしを見つめる。



あたしは、何故かその視線から目がはなせなくて――





頬の辺りに手がそえられる。





「目が赤い…ちょっと潤んでるし…なんか元気もないよね。何かあった？」




隼人さんのまっすぐな目と暖かい手がまた涙を誘う。




でも、泣くわけにはいかないから……






「な、なんでもないんです…」


「…本当に？」


「……」


「なにかあったんだよね」





どうして、隼人さんには嘘がつけないんだろう…




弱いところを見せたくない人の前に限って…あたしは……