ふと、公園のど真ん中にある時計に目を向ける。 「あ、ごめん詩織。これから用事あるから、ここで別れていいかな?」 「うん、いいよぉ」 「じゃ、また今度」 「ばいば~い」 笑顔で手を振る詩織に見送られながら、私は公園をあとにした。 「さて、と…」 ポケットに入れてあった紙を取り出し、眺めながら歩く。 歩きじゃ、ちょっと遠いな…… そう思い、電車を乗り継ぎ、着いた場所は…… “上牧” 上牧君の家の前。 そう私の“用事”とは、これのこと。