「さっむーー!」 家から出ると、途端に息が白くなった。 家の目の前には自転車。 どうやらここまで、これで来たらしい。 「ほら、乗れよ!時間がないんだよ!」 上牧は自転車に乗って、後ろを指さす。 「……だから。どこにいくつもりなわけ?」 あたしは、自転車に乗りながら言った。 「行けばわかるって、言ったろ?」 上牧はそう言った後、自転車をこぎはじめた。