あたしは、上牧を抱き締めた。 ぎゅっと、温もりを感じるように…… 「なんだ、今日はやけにサービスしてくれるな」 「『一人で泣くなよ』」 「……っ」 あのとき… 屋上で、あたしが一人で泣いていたとき… 上牧があたしを励ました言葉。 『一人で泣くなよ』 『俺を頼れよ』 今度はあたしが励ますから…… 「ごめん。次からは気をつけるから…」 「…………」 だからもう… 独りで泣かないで―― 「もう、俺をヒトリにすんなよ」