---パシッ ……あれ…… 痛く……ない…… 目を開けると目の前に上牧が立っていた。 そして、腕で男の手を止めている。 「お前……女に手ぇあげるとか、カッコ悪くない?」 そう言った上牧の顔はいつものふざけた顔ではなく……とても怖かった。 男が一歩下がる。 「お、お前ら…覚えとけよっ……!」 そう言って、男は走っていってしまった。 「今すぐ忘れてやるっつーの」 上牧は余裕の表情で舌を少し出す。 な、なんだよ…… こいつ…かっこいいとこあるじゃん…… ちょっとだけ、ドキッとしたかも……