「えー。今日、一緒に帰れないのー?」 「ごめん!上牧と待ち合わせしちゃって!」 あからさまに肩を落とす南に、あたしは手を合わせて謝る。 「いやぁ…青春だねぇ」 「蒼いねぇ……」 「羨ましいわぁ……」 笹岡さんと小林さんと水渡さんが遠い目をしながら言う。 何気にいいトリオだわ、この人ら。 「じゃ、お先に失礼します!南、1人が嫌なら浦河に迎えに来てもらえば?」 あたしは上牧の元へ向かった。 背中ごしに「咲夜のバカー!」という、声が聞こえた。