雨の中、二人がバチャバチャと走る音が響く。 「ちょっ……上牧!どこ行くの!?」 上牧は振り向かない。 そのとき、あたしの脳裏に浮かんだのは… 『上牧君も高槻さんのこと好きなのかな?』 『高槻さんはちゃんと愛されてるの?……ただ、おもちゃみたいに、遊ばれてるだけなんじゃないの?』 浦河の言葉―― --ドクン 「離せっ!!」 あたしは、上牧の手を乱暴に振りほどいた。