もう、分からない… 雨と、涙でぐちゃぐちゃになって… 嫌なことしか思い浮かばない… 助けてよ… ねぇ、助けて…… 「咲夜!!」 夢かと思ったけれど、その声はあたしの中にしっかりと響いて。 この、声は… ――かん…まき……? 「……っ!」 おもいっきり腕を掴まれた。 そして、走り出す。 「高槻さんっ!!」 浦河の声が聞こえる。 でもそんな声、気にもとめなかった。 上牧が来てくれたことが嬉しくて。 もうあたしの目には上牧しか映ってなかった。