しばらく走っていると悲鳴が聞こえた。


「きゃぁぁぁ!!」


美姫?
おい、マジふざけんなよっ!!

悲鳴が聞こえる場所へと向かった。

すると…友紀が美咲に刺されていた。

友紀は、崩れるように倒れた。


「おい、何してやがんだよ」


「あら?隆幸さん。こんな夜中にどうしたの?」


「散歩だ」


美咲は、クスクス笑いながら俺を見つめた。


俺に見つかっても平然としやがってる。俺は美姫に近づこうとした。


「隆幸…」


美姫が呟いた。

それを合図に美咲が動いた。
剣を俺の胸に突き付けた。

「それ以上、動くと死んじゃうわ」


「上等じゃねぇか」


俺は美咲のナイフを避けて、友紀を担いで美姫の手を握った。
こうなったら最後の手段。


「とりあえず…」


「え?」


「逃げるぞ」


俺達は走って逃げることに。このままいたら、マジで殺されるっ!
まだ死ぬ気ねぇから!
しかも、逃げるが勝ち!


「隆幸っ」


「あ?」


「私っ…私ね」


泣きながら俺に伝えようとした。
まったく…


「お前の言いたいこと分かってっから。とにかく走れ」


「…でも、言わせて。好…」


馬鹿。本当に馬鹿。こんな状況で告る奴いるか?
もう殺されそうだっていうのにな。

俺は美姫にキスをした。
言葉を遮った。