「はあっ?!」


屋上に間抜けな声が響いた。

里香だけじゃなく、屋上にいた生徒たちが一斉に怪訝な目で私を見る。



「あ、あはは……」

作り笑いをしながら私は、屋上の角まで移動した。


「どういうことですか?!」

周りは誰もいないのについヒソヒソ声で話してしまう。


『そのまんまだよ。今日は家に戻らないと思うからちゃんと準備してこいよ』


「え?!なにそれ意味分かんないです!!」


家に戻らないって、どこかに泊まるってことでしょ?!


あいにく今日は金曜日で明日はお休みだからまだしも、

一体なんの為に今日私は泊まらなきゃいけないのかが不思議でたまらない。


それを訊こうとしたけど、気がつくと電話は切れていて、


「…なんなのもーーーーっ!!!!」


屋上に再び意味不明な雄叫びがとどろき、

みんなの痛い視線を浴びたのは言うまでもない。