それから1ヶ月―――



「さて、今回新人賞を最年少のわずか16歳で受賞したwakanaさんについて、どう思いますか?」


「そうですねー、世間には顔出しだけでなく取材等は一切NGというのには驚きましたね。」


「しかし驚いたのはwakanaさん自身だと思いますよ。」


「そうですね、まさか自分が?!って今頃思ってるはずです。」


「「アハハハハハ……」」



ぶちっ!


テレビ画面を真っ黒にしても、

私のイライラは治まらない。


…これほどテレビを嫌いになったのは生まれて初めてだ。


大袈裟かもしれないけど、
テレビの向こうで笑っていた評論家だかなんだか知らないオッサンが言ってたことが本当だったから。



ああそうですよ、ビックリ以上のビックリをしていますよ。




まさか…私が、


文学界の最高峰の賞に入選するなんて


1ミクロンたりとも思ってなかったから。