「待ってよ、ヨセフ、王子って?」


『―汚れなき娘よ。知らなかったのか…。そこにいる少年はこの国の第1王子・ヨセフィール・アッシュ・フェアリーだ。―』




ヨセフが第1王子!?



アンは思わずヨセフを見た。




「ヨセフ、本当に王子様、だったの?」


「隠してて…ごめん。」

「すっごーい!またとない貴重な体験だわ!」




まさか、王子様と冒険だなんて!



そう思うアンの頭の中には本当に冒険のことしかつまってないようだ。




『―ホホホ…さすがは汚れなき娘よ。面白いの。―』


「アン…なんていうか、天然なのか、単に性格なのかな…?」


「へ?何の話?」


『―天然、のようだぞ。王子。―』




キラキラとした目をヨセフにむけるアンを見て、シルキーはそう言った。