☆〈裕〉★


「くそ、なんで、よりによってあいつの近くに…」



夜、俺は1人でコンビニ弁当を食べながらひとりごちた。



海乃 翔。



気に入らない。


あいつは真希の過去を知っている。


俺の知らない、


真希を


知っている。



「…気に入らねぇ。」



友達からよく『独占欲が強い』と言われるが、全くその通りなのだろう。

自分でもそう思う。


真希は俺のものでいて欲しい。


すべてが欲しい。



ふくらんで、


大きくなって、


破裂してしまいそう。



「…あーあ、俺の計画台無しだよ。」



真希を助けるつもりでわざわざ教師になったのに。


まぁ、そばにいるためでもあるんだけどさ。



「相川さん。いるかい?」



管理人…の声じゃない。

誰だろ。



「…はい?どちらさまで?」




ガチャ…




「!アナタは…!」


「やぁ、ヒサシブリだね。裕。もしかして、私のこと覚えてない?」



ちょっと変な日本語をつかう金髪碧眼の外国人。


俺の恩師。




「―ミスタ・エリック・ニュートン…―」