「お、おいしい…。」


「さも私の料理が不味いだろうと予測していた発言、どうもありがとう。」



芹沢の作っていた料理はなんと本格・フランス料理だった。


見た目も味もバッチリ。


「日本女性って、本当に料理上手だなんだ。嘘かと思ってた。」


「…エリックは黙って。」


「…sorry.(ごめんなさい)」



これが本当に大学の医学部客員教授なんだよな…

いつもながら不思議だ。

まるで威厳がないんだから。



「あ、そうだ『フェアリーテイル』貸すんだったね。」


「ああ、そうだった。いろいろあって忘れてた。…あれ?そういえば相川が珍しく騒がないね。」

「相川先生?あ、そっか。この寮というかこのフロアの出入りは午後8時以降住人以外制限されるからね。それでじゃない?」


「へぇ…。便利いいね。」




そう言った芹沢の顔が、(表情ないけど)なんとなく物足りないと感じているように見えた。



―相川先生がいないとつまらない?―



って何考えてんだオレ!!


何イラついてるんだ!?