「まぁ、そうだね。もう帰る?」


「当たり前だろう。私の命をそんなに削りたいか。」


「まさか。」



海乃は笑顔でそう答えた。


こいつはいつも笑っている。大抵の女子はそのあまりの美しさにコロッといってしまうらしい。が、私はそこが苦手なのだ。


海乃は何を考えているのかわからない。それは私にとって腹立たしい事でもあるし同時に苦手なのだ。



「芹沢、送ってくよ。もう外も暗い。危ないから。」


「いや、大丈夫だ。」


「大丈夫じゃない!居眠りするぐらい疲れているんだ。送らせて。」



生徒会で知り会ってからずっと、海乃が何を考えているのか分からない。


どうして、私が起きるまで残っているのかも、なぜ私を恐れないのかも。(これは狩野と日下部にも言える。)


鉄仮面女と言われる、家族からも敬遠されている私を。



「勝手にして。」



お前は何を考えている?