オレは芹沢に笑いかける。



「だって、そしたら始末書なんて書かなくてもいいじゃん。」


「それじゃあオレは副会長になれなかったかもしれないじゃん。」


「…それも、そうね。相川みたいなのが副会長だったら大変だもんね。」


ふふっ…と芹沢は笑った。(表情が無くて怖い。)




―ばーん!―




急に響いたその音にビクッとした。


なんだろう…?



「真希!真希いるか!?」



その人物はリビングにいたオレ達を見つけるとホッと胸をなでおろすと、つかつかこっちにやってきた。



「あ、相川!?どうして…!?」


「よ、良かった。無事だった。驚いたよ。芹沢の家によったら真希は出て行ったって…」


「どうしてここがわかったんですか?」



オレはあくまで紳士的に対応する。


心なしか相川に芹沢がおびえているからだ。



「医学部の客員教授が特別寮に真希を入れたって、管理人さんに聞いたんだよ。」


「あの…母さん、なんて言ってた?」


「…それを俺に聞くのか?」



答えなんて、言う価値もない。


そう言って、相川は芹沢をオレの目の前で抱き締めた。