★〈真希〉★


次の朝、起きた私にエリックは突然伝えた。



「あ、そうそうマキ、君、今日から附属大学の特別寮に入ってもらうことにしたから。」


「&*@§☆○★¥!!???」



今日から!?


ていうか附属大学の特別寮って、VIPな人しか入れないんじゃなかったっけ!?



「それで昨日大学病院行ってたの?」


「ちょうど学長が訪問していると聞いたからね。『セリザワ マキ』って言ったらOKしてくれたよ。」


「有名だね。」


「『セリザワ』だからね。日本では有名なんだろ?」


「…たぶん、です。」



芹沢 敏郎。


私の実父である彼の肩書きは、



文部科学省の幹部。



そのネームバリューは絶大だ。



「ま、荷物は着替えと教科書類だけで大丈夫。あとは学園側が配慮するらしいから…


もう持って行っちゃったんだよね。荷物。」



わたしは再び叫びそうになった。