アンとヨセフは西に向かった。


ブラウニーを探して。



「ヨセフ。この森、抜けた事ある?」


「いいや。ないよ。僕はゴブリンたちの住みかしか出入りできなかったから。でも、ブラウニーがどういうのかは知ってる。見た事あるからね。どうかしたの?」


「うん。メロウって、魚人の事でしょ?水…っていうか、海水がないのに森にいるなんておかしいなって…」



そういえばそうだね。とヨセフも考え込んだ。


どうして?


なんでだろう。


答えが見つからない。



「考えてわからないならブラウニーに聞いてみるのもありかもね。まだかしら。」


「あ、フェアリーリングだ。もうすぐかもね。」

「フェアリーリングって、このキラキラした輪の事?」


「触ったら捕まるよ。タチの悪いイタズラだから。」



危ない危ない。


そういえば大人達にもキラキラした輪を見つけても触っちゃいけませんって、言ってたな。


そう言われるとよけい触ってみたくなるのがアンの性分。


だが、捕まるのは嫌だし、ヨセフの事やメロウの事もあるから、触りたくなかった。



「ブラウニー発見!」