芹沢は当時から、友達がいなかった。


彼女は基本勝ち気で、冒険好きだった。


そう。


まるで『フェアリーテイル』の『アン』のように。



「オレは当時はこの目の色のせいで遠巻きにされていて、あまりなじめて無かった。それで…」


「真希か。」


「あぁ。」



だいぶ濃くはなっているが子供の頃、オレの目は青に限り無く近い茶色だった。


理由は、父がアメリカと日本のハーフだったからだ。


つまり、クォーターだったんだ。



「それで?」


「これ以上は…勘弁して。オレとエリックだけでは話が済まなくなる。」

「だがジュニア、お前は真希に会いたいと言った。だから日本に行くと…何故だ?」



何故?


遠い約束。



―…いつか、また…―




「…約束を果たしに来たんだ。」



2人だけの、


誰も知らない、


密約を。