化学準備室は狭い。


オマケになんの冗談か割れ物がたくさん置かれている。


目の前には、付き合ってくれと言っているゲロ甘顔にゲロ甘ボイスをしている破廉恥教師。もとい、従兄弟がニコニコしながらこちらを伺っている。



「そう言っていただけるのは有り難いですけど、私あなたが嫌いなんです。それでは。」



まだ、ニコニコている相川に背を向けて準備室を出る。


早く生徒会室に帰らないと、またアレが泣いているかもしれない。


それだけは勘弁だ。


そう思いながらさっきのセクハラ教師の顔を頭の中からとっぱらう。


そうして、生徒会室に入った。瞬間、扉を開けた事を後悔した。そこには涙目のアレがいた。



「か、会長~!やっと来てくれたんですねえ!!オレもうどうしようかと…」


「またトラブル?」


「みんなオレを女装させようとするんです!」


「…あなたに聴いたのが間違いでした。狩野(カリノ)、日下部(クサカベ)、トラブルはあった?」



アレを無視して書紀の狩野正春(マサハル)と会計の日下部優凛(ユウリ)に話しかける。



「なかったよ。」


「うん。平和だった。…海乃君以外は。」