☆翔☆


走った。


ひたすら走った。



真希に会いたい。



たとえオレを覚えていなくても、会いたい。



会いたいんだ。




昔、一緒に描いた物語を完結させよう。



結末のないあの物語の最後。


ハッピーエンドにするか、バットエンドにするか、迷っていた、終わりを描こう。





オレは気付いたら泣きながら走っていた。




「っ…真希!!」




オレは相川先生の部屋に駆け込んだ。


真希の名を呼びながら、中に入った。




「だれっ…!?」




真希が、いた。



オレは真希を抱き締めた。




「真希、ごめんな。遅くなって、ごめん。謝るよ。何度でも謝るから。」



戻って来てなんて言わない。


でもせめて、オレがキミを愛してるって事だけは、分かって。



好きだよ。


好きだ。



真希、キミが。



真希は最初抵抗していたが、そのうち大人しくなった。



オレに身体を預けている。