アンは好奇心旺盛な村娘。


冒険好きで、村の子供達は誰も着いて行けず、アンに友達はいなかった。

ある日、村の中にある絶対に入ってはいけないと言う妖精の森で1人で遊んでいると、1人の男の子が現れた。



「だぁれ?」



アンはつい気になって聞いた。村ではみかけない、綺麗な青い瞳をしていたから。



「ヨセフ。」


「村ではみかけないわね?どこから来たの?」


「わからない。でも、ゴブリン達にイタズラされて、出れなくなった。」

「ゴブリン?」


「妖精だよ。僕の青い瞳が気に入ったらしくて、ほら、君の足下にいる奴だよ。」



彼が指差した通りに顔を動かすと、そこには小さい人型動物みたいな生き物が、アンの服にくっついていた。



「わからなかったわ。」

「妖精は気付いていないだけで結構身近にいるよ。でも君は不思議だね。気付いていないのに、自然と妖精達を避けてる。」


「そうなの?」


「たいていは、気付かず踏んじゃったりするんだ。」


「随分詳しいのね。」


「ここに来てもう3年経つからね。」


「そんなに?食べ物とかどうしてたの?服だって、そんなに汚れてないじゃない。」


「食べ物は妖精達から分けてもらってるし、服はレプラホーン達が作ってくれるんだ。」



そう言って、ヨセフはアンに笑いかけた。