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『相川さん。これ失くさないように持っといてくれませんか?』


『なんだこれ?フェアリーテイル?海乃 翔・芹沢 真希作?』


『もう、ダメだと思うから。』


『…なにが?』


『もうすぐ、消えてしまう。その前に、これだけでも。』


『…わかった。失くさないようにする。』



蝶のシールがついた青いノートを真希は申し訳なさそうに見やっていたが、すぐに目を逸らして俺の前から去って行った…
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ノートなんて知らないと真希が言い始めたのは2年前。



―もうすぐ、消えてしまう。その前に…―



「消えてしまったって、ことか?」


「は?相川先生?」



なにかが、“消えた”とすれば、



「記憶が…?」