あの人達のせい。


真希を虐待していた俺の伯母と黙認していた義伯父のせい。



海乃の言葉は俺に大打撃をくらわせた。


大マジの大打撃。




「いったい、神様は、真希からどれだけのものを奪えば気がすむんでしょう…?」




本当に、どれだけのものを、あの子から奪うつもりなんだろう。


わからない。


俺も、冷静ではいられなくなる。



静かに涙を流す海乃を尻目に、俺は頭の中を沈めようと必死だった。



どうして。


わからない。



別に、不幸ってわけじゃない。


母親がいない事なんてよくある事。


右目が見えなくなっても左目は残る。


今は、平和に暮らす術をてにいれてる。



本当に、不幸ってわけじゃないんだ。


世界の皆と比べれば、笑えるくらいの小さな不運だ。


ただそれだけのことでも、そばにいるだけで、



こんなにも、



辛い………。