「ねーアンバー、呪いはー?解いてくれないのー?」


『―そっ…そもそもっずびっ私が、王子にっ、ふぅっ呪いなどかけるわけがっ…なっなかろうっ!―』


「ねーアンバー、いつまで泣いてんの?」


『―誰のせいだとおもうておるのだっ!ずびっ…―』




もうかれこれ30分はこんな状態が続いている。


アンがアンバーをいじりすぎたせいで肝心の呪いのことを聞けず終いだ。

ヨセフはじゃれている2人を見て腹を抱えて悶絶するほど笑っていた。




『―私はメロウの海へと巫女と王子を渡す案内役。単なる役目だ。―』


「勇気は自分から生まれる物だからな。わざわざ呪いにしなくてもいい。泣きやんだか?バンシー。」




『―ば、バカにするな王子っ。私はもうじき1010歳となるのだぞっ!―』

「えー?そんな見た目なのにー?」


『―しかたなかろう!―』




アンバーは顔を赤らめた。


どうやらコンプレックスだったらしい。