『―ぬしら何をするっ!話せっ…!』




女の人の声がした。


ひどく響く、凛とした声。


妖精だった。




「俺達は幽霊狩りだよ!東の魔術師に雇われたんだ。悪いけど、旦那の実験台になってもらうから、ちーっと黙っててくれ。」


『―くそっ!長ー!助けっ…―』




妖精の声は途切れた。


瞬間、アンは男達のまえに躍り出た。


そんな事ができた事にアン自信も驚きながら、声を張り上げる。




「妖精泥棒!何してるの!?」




男達は突然でてきた小さい少女に最初は驚いたが、すぐに黙ってアンを捕まえようとした。


その男達の前に、今度はヨセフが立ちはだかる。

黄金に光る剣を携えて立ちはだかるヨセフを見て、男達は今度こそおどろいた。




「王族…?なぜ、なぜ、王族がここにいる。しかも…行方不明の王子!」

「ヨセフィール・アッシュ・フェアリー…未だ誰も見たことがないと言う、金髪碧眼の王子か!」

「おい、ずらかるぞ!王族には逆らう訳にはいかねぇだろっ!」




口々に叫んで、男達は散り散りに逃げていった。